事業創造大学院大学

2026年4月、事業創造大学院大学は
開志創造大学(仮称)へ名称変更予定です。

お知らせ

2009.09.07

(株)インボイス 木村育生会長「本当に起業したいの?」(准教授 富山栄子)

2009年9月5日(土)、(株)インボイスの木村育生会長による特別講義がありました。
木村会長は昭和33年生まれの51歳。26歳で起業、43歳でジャスダック上場、46歳で東証一部へ。現在は会長職におられます。
起業は、つらくて、苦しく、やらない方がいいと会長はおっしゃいます。これまで3~4回、倒産しそうになったそうです。給料をもらっている方が楽。
それでも、高校・大学時代、中学校のバスケット部の監督を務められてこられた経験に通じ、ヒトを自分の命令で動かす仕事はおもしろく価値があるとおっしゃいます。

やるなら、マーケットが大きく存在しているところ、そして、必ず購買層があるところで勝負しないと、何十年も安定的に育てるマーケットにはならない。やるなら軽めのところからスタートする。
父は一件50億~100億の石油コンビナートの建設工事の事業をしていた。重厚長大の受注産業。何万社、何十万社に数百円のものを売るビジネスをしたかった。そうすれば値引きしないですむ。不況に一番強い。これからの時代には合っている。

また、インターネットの時代になり、ビジネスの構図が変わった。HPが広告宣伝告知活動となり、自分の店につれてきてくれる。お客さんにいかに告知するか?が大切。

例えば、今治というタオルの町がある。中国から安い輸入タオルが輸入されて困るので、政府に輸入制限を頼んでいた。値段を下げてたくさん売るのはダメ。それでは工場は忙しくなるが全く儲からない。そこで、木村会長は「HPを作りましょう」と提案。○○タオル店。あなただけのオーダーメードタオルをお作りしましょう。あなた好みのタオルをお作りしますよ。希望の厚み、大きさ、刺繍、色を書き込む。2~3時間で返事が来る。こんな感じになります。納期2週間、金額1枚いくら。やってみましょう。そして、40~50万円かかるが、Yahoo!のキーワード検索で、「オーダーメード」、「タオル」の一番上にヒットするようにする。
10枚、20枚単位だが、どんどん引き合いがきた。
小回りのきく工場があったからできた。巧の技がある。日本人の能力があるから受けられた。日本の立ち位置は顧客からのオーダーメードを受けるビジネスである。
資源や手間のかかるやりたくない仕事もまとめたら、原価が下げられてビジネスになる。
不況の波にかつ、いつまでも続けられる。安くしない。安く売らない。ブランドを作る。
お客様のかゆいところに手がとどく。私だけの商品。こういうビジネスがいい。

一回限りの受注で終わり、売って終わりのビジネスではなくて、ずっと関係が続いていくビジネス。大口ではなくて、小口ビジネス。価格は下げない戦略。得るものが多い大変有益なお話でした。

また、ヒトの笑顔を見るのがお好きだという木村会長は六本木にインボイス劇場を建てられ、「ブルーマン」の公演をされてきました。大変人気があるようで、是非一度見てみたいものだと思いました。