「世界から日本を見る」~小川郷太郎氏の特別講演会~(准教授 富山栄子)
「世界から日本を見て思うこと」というタイトルで外交官生活40年(海外23年、8ヶ国)を経験された小川郷太郎氏の特別講演会がありました。
小川氏のお話で印象に残ったことは以下のようなことでした。
日本の強みは、
1.ODAの規模とアプローチにおいて、アメリカは政策的であるが、日本は相手国と一緒に考える点が評価されていること
2.経済力・技術力・文化力(お茶・柔道など)が高く評価されていること
3.非軍事・平和主義が高く評価されていること。
その一方で、日本の弱みは、
1.日本の政党や党首はあげあしを取ることばかり考えており、日本としてやらなくてはならないことが、政治でまったく決まらない。改革が遅いこと。
2.マスコミは、何か事件が起きると、ずっと一週間もそのことばかり報道している。もっと世界では重要で大きなことが起きているのに、視野狭窄である。(島国の環境の考え方、行動の非国際性)
3.近隣国との軋轢:たとえば、韓国では、創氏改名で韓国の人たちは名前を日本名に変えさせられた。そして、日本から先生を派遣し、授業では朝鮮語で話しをさせず、日本語で授業をさせた。(歴史問題による被害者としての思いは残る)
また、日本からは見えにくい世界の現実として
1.すさまじい貧困問題(カンボジアでは、あまりの貧困ゆえに人間の尊厳さえ傷つけている)
2.フランスやデンマークのようにバカンスで1ヶ月ゆったりとすごし、生活の質を高めよう。そうすれば、いろんなことが頭に浮かぶようになる。
さて、私たちがやらなければならないことはたくさんあると思いましたが、「視野狭窄」にならず、たえず、世界では何が起きているのかというグローバルな視点をもって、テレビからの報道だけに翻弄されずに自ら考え、行動していくことが大切であると思いました。
また、ビジネスでも、日本市場は巨大ですので、それでよしと考えがちですが、もっと他国の歴史や文化、社会、生活様式等から多くのことを学び、視野や思考を広げていくことが必要だと思いました。