事業創造大学院大学

2026年4月、事業創造大学院大学は
開志創造大学(仮称)へ名称変更予定です。

お知らせ

2009.04.09

科学研究費基盤研究Cに内定通知(准教授 富山栄子)

このたび科学研究費基盤研究Cの内定通知をいただきました!例年より2週間ほど早いようです。テーマは「新興国自動車メーカーのグローバルマーケティングに関する総合的研究」です。

どこの大学も研究費が少ないので、こうした競争的資金の獲得のため、そして大学の格付けアップのため、科学研究費公募の応募数は激増しています。基盤研究の採択率は大体22%ですので、ダメだろうなあと思っておりましたが、大変ラッキーなことに通りました。

なんで私なんぞの研究課題が通ったのかについて勝手に分析してみたいと思います。

まず敵を知ることです。情報収集はとても重要です。

①そのために、2年前に科学研究費が通っている事業創造大学院大学の若手のエースである、Z先生に、お話をうかがいました。その結果、これまで自分が書いてきた論文や著作の延長戦上の研究であることが重要だということがわかりました。ぜんぜん関係のないテーマでは期待薄なのだそうです(著名な大先生は例外とのことでした)。
②次に、これまで、どのような研究に対して科学研究費が拠出されているのかを日本学術振興会のHPで調べ、傾向を調べました。その結果わかったことは、時代のニーズに沿った研究、新しい感覚の研究に拠出されていると思いました。
③それから、科学研究費をこれまで何度ももらっている多くの先生方からさまざまな情報を収集しました。その結果、基盤研究Cに応募した方がよさそうだということがわかりました。
④最後に、分厚い科学研究費の要綱を熟読し、どのような研究に対して拠出されるのかをリサーチしました。その結果、

1.学術的重要性・妥当性
2.計画・方法の妥当性
3.独創性、革新性
4.波及効果と普遍性
5.研究遂行能力および研究環境の適切性

が優れた研究に拠出されることがわかりました。

以上を踏まえて、16ページの申請用紙を書いていきました(大学院生のころから研究計画は書いてきましたが、研究者はこうした研究計画を書き続けているのですね~。申請書を書くのに丸1週間は、かかりました。)

さて、私なりに分析した科学研究費獲得のポイントについて述べたいと思います。

1.国費を投入するだけの社会的にインパクトの大きい、意義ある重要な研究なのか?
2.それが学問的にも価値ある研究なのか?
3.あなたにそれができるのか?他の人ではなく、あなたにしかそれができないのか?(私の場合、能力が足りないので、自動車流通で第一人者である、京都大学の塩地洋教授に共同分担者になっていただきました。→だから通ったのだと思います)
4.革新的な新しい分野の研究なのか?

以上すべてを強調し、説得力をもって研究計画書を書くことです。審査は第一段階、第二段階に分かれ、それぞれ大人数からなる合議制ですので、どの審査員が読んでも、「この研究に国費を是非とも投じたい!」と思わせるような研究計画書を書くことです。

それから研究は一人の力ではできることも限られていますので、チームを組んで強みを生かし、取り組むといいと思います。

このことは本学学生の事業計画書の執筆にも言えるのではないかと思います。

1.投資家がお金を投じるのですから、それだけの価値のある、社会的にも意義ある事業なのか?
2.あなたにそれができるのか?あなたにしかそれができないのか?
3.新規性のある事業なのか?

以上のポイントを強調して、誰が読んでも説得力をもって書くと、良い事業計画書ができるのではないでしょうか?
この「説得力のある文章」というのは「人の心を打つ文章」だと思います。それができたら苦労はしないのですが・・・・。