事業創造大学院大学

2025年4月、事業創造大学院大学は
開志創造大学(仮称)へ名称変更予定です。

お知らせ

2008.11.12

上村孝樹氏の特別講義(准教授 富山栄子)

日経情報ストラテジーの編集長のご経験をもたれるジャーナリストで経営コンサルタントの上村 孝樹氏の特別講義がありました。
私がおもしろかったと感じたのは以下の点です。

1.皆が満足するものは、皆に不満足となる
2.商品は常にあってはいけない

これにはたとえば次のような例が考えられます。

事例1:大阪府吹田市松竹堂のフルーツ餅
先般京都大阪方面へ行った際に大学時代の友人と会いました。彼女はお土産にといって大阪府吹田市松竹堂のフルーツ餅をくださいました。行列のできる有名なフルーツ餅だそうです。帰宅後、家族で早速いただいたところ、大変美味でした。ふわっとしたおもちの中に、栗やかきや洋なしが入っていて絶妙な仕上がり・・・・。ほっぺが落ちてしまうほどのおいしさ!たちまちのうちに、食べつくしてしまいました。ほとんど全部子供らに食べられてしまったので、早速、私が食べる分(!)を取り寄せようと思い、HPで検索しました。しかし、地方発送はしていないことがわかりました・・・。地元でしか買えないのです・・・・。ねんりん屋のバームクーヘンと一緒です。(閉鎖的流通チャネルの代表!)

事例2:「花畑牧場」の「生キャラメル」
1994年から北海道中札内村(なかさつないむら)でタレントの田中義剛「花畑牧場」を経営し、2007年に発売した「生キャラメル」が大ヒット。農産物を商品化して、商品に価値を付加して販売する「ブランディング」を実現し、良いものを少量作り、高く売るブランド戦略を徹底しています。口に入れた瞬間に溶け出すような食感が特徴で、販売場所は新千歳空港などに限定し、プレミア感を高める戦略を取っています。今のようにニーズが高まっても大量生産は絶対にしていません。・・・是非一度食べてみたいものです・・・。

事例3:越の寒梅
ほんの5~6年前まで、新潟市内でも、越の寒梅を入手することは極めて難しいことでした。イセタンにも酒屋さんにも、お酒の量販店にも、どこにも売っておらず、特別なルートをもった人を知っていないと入手できませんでした。ですから東京方面へのお土産などには大変喜ばれました。ところが、最近ではイセタンなどのデパートでも酒屋さんにもお酒の量販店にもどこにでも越の寒梅を見かけるようになりました。どこでもいつでも入手できるので、いつのまにかお土産として購入することはしなくなりました。

3.生産量は需要よりも常に少なめにする。完売しても追加生産しない。売れ残りが一非番の悪である。ムリ、ムラ、ムダを排除する(機会損失を生じさせる)

→セブンイレブンなどのコンビニとは逆の発想ですね。コンビニは、お客さんが来店したときに、お弁当などの品切れがないように、欠品をなくそうと、機会損失の削減を本部は各店舗に徹底して指導しています。しかし、お弁当が売れ残って、泣くのは各店舗だけですからねー。

4.企業が顧客を選ぶ。

→ブランド力のある企業はそれでいいのでしょうが、そういうレベルに達するまではなかなかそうも言っていられません・・・。

5.会社を大きくすることよりも、事業を継続させていくことの方が重要。

上村 孝樹氏はおっしゃらなかったのですが、要するに、自社の強みを生かした小さな市場でNO1になることが大切なのだと思いました!