新潟ビジネス専門学校での「経営戦略論」の授業(准教授 富山栄子)
今年の前期は同じNSG系列である専門学校から事業創造大学院大学へ“出動要請”があり、信田先生が「マーケティング論」を、私が「経営戦略論」を新潟ビジネス専門学校で教えてきました。専門学校で教えたのは今回が初めてのことです。
私たちが教えたのは「事業創造学科」の学生たちで、18歳~22歳くらいの男子学生5人です。高校で簿記1級を取得し、起業家を目指して、真剣に経営を学びたいという学生、家業を継ぐ勉強をしたいという学生、一度就職した後に、起業の道を目指して学びなおす学生など様々なバックグランドを持っていました。
ビジネス経験のほとんどない自分の息子に教えるようなものですので、実際のケースを用いてできるだけわかりやすく、可能な限り平易な言葉で授業は行いました。
経営戦略論でやった内容は、たとえば、ある業界のある店が売り上げが伸び悩み赤字になってきた場合に、どのような戦略をとればいいのかといったことを、iPODやDVD、新聞記事や教科書などの各種素材を用いて、ファイブフォース分析、競争戦略論、創発戦略、資源ベース理論、知識創造理論、ブルーオーシャン戦略から戦略を立案するとどうなるのかといったようなことをやりました。
総じて、戦略論は、どれも、「他の人と同じことはやらない!」という点で一致していると昨日の最後の授業で学生らと意見が一致しました。
学生たちからも学んだことがあります。
たとえば「顧客ロックイン戦略」を取り上げたときにその中のひとつに「インティマシーロックイン」というのがありました。これは、しだいに愛情を湧かせ、なじみ客として取り込むというものです。とある学生から「「キャバクラ」がそうだ!」ということを教わったのでした!
また、会員制度やポイントカードを活用して顧客との関係を強化する「メンバーシップロックイン」では、カラオケ店がどのような情報をメンバーカードに入力しているのかを、とある学生から教えてもらいました。
また、若者の消費行動が近年変化してきており、ブランドものを買うよりも社会貢献志向の消費行動を取るようになってきている、という企業のCSRと企業戦略を取り扱った授業では、「自分たちは、売り上げの一部が寄付されるキャンペーンといった社会貢献にも関心はあるけれど、おいしいモノが食べたいし、いい車に乗りたいし、格好いい服も着たいし、ブランドものも欲しい」と、若者の社会貢献志向の消費行動を認めつつも、従来の個人の欲望を刺激するマーケティングも決してすたれたわけではないことを学びました。
ほとんど集中講義で、スケジュール的に、きつかったのですが、なかなかおもしろかったです。