アルファグループ(株)吉岡伸一郎代表取締役会長の特別講義がありました(准教授 富山栄子)
アルファグループ(株)吉岡伸一郎代表取締役会長の特別講義がありました。
吉岡伸一郎会長は大学時代に友人と一緒にビジネスを始め、1994年にアルファグループ株式会社の前身となる株式会社プラスアルファを設立されました。そして、学生向けのプロモーション、マーケティングを主軸に事業を展開しました。アルファグループが成長したのは、2年後の1996年の携帯電話事業の開始でした。当時は、携帯電話市場は飽和状態だと言われていましたが、市場が膨らみ、会社が急拡大しました。そして、会社設立から10年後の2004年にはJASDAQへの上場を果たしました。
吉岡伸一郎会長の起業のきっかけは
1.自分の道を歩みたい。
2.自分の可能性に挑戦したい。
3.ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』の成功哲学を読み、想いの強さが成功へつながる。相手がしてほしいと思うことをしてあげると相手が返してくれる。その結果、会社が成長することを学ばれたそうです。
そして、自分のアイディアを商売にしていこうと商品企画を企業に売り込まれました。当初は先の見えない5年間で、IBMから仕事をもらったそうですが、長続きしなかったそうです。営業効率が悪く、もがき苦しんだ5年間でした。
5年後に、携帯電話100台セールスソーシングというコアビジネスを発見されました。
携帯電話という商材の販売代理店業です。販売代理店として、FAX営業、対面営業等、商材の販売手法を検討し、顧客と一緒に営業に関わるビジネスプロセス全般を構築し、運営されました。そのビジネスモデルの特徴は、店舗のオーナーと一緒に夢を共有し販売を行う等のコンサル業務も併せて行った点です。
そのために、代理店の抱える問題を解決し、アルファと取引する理由を作っていかれました。具体的には、
1.店舗運営のリスク:お客の悩みをともに解決する(今日買う理由を作った。たとえば、年末セールや情報発信など)
2.資金ぐりを解決する:委託在庫・店舗保証金・不動産開拓
3.副商材の開発:携帯無料WEBサービスの『あいする』、携帯カメラの写真を印刷する「写ミーゴ」、「タッチdeポン」
アルファはこのように独自商材を開発・販売しています。アルファの事業は代理店網による販売を中心に拡大していきました。その競争優位は販売力と副商材の開発力にあります。とくに、副商材の開発によって店舗のオーナー(社長)とアポが取れるようになったそうです。他社と同じことをやっていてはダメで、副商材があることで携帯電話の成約へとつながっていきました。
携帯電話という既存市場への参入におけるポジショニング取りの注意点として吉岡会長が指摘されたのは、
1.勝ちすぎない(敵をつくらない)
2.もうけすぎない
3.やりすぎない
です。
オフィスサプライ事業では、コクヨのカウネットというオフィス文具通販を主力商材として販売してます。カウネットの顧客数は、同事業代理店の中でアルファが最も多いそうです。カウネット事業では主にコールセンターを使った営業展開をしてます。当初は、コールセンターやDM、FAX、訪問販売を組み合わせてましたが、最も効率が良かったのがコールセンターで、補助金が出るので地方にコールセンターを出し、事業戦略の柱になりました。このコールセンターを使った営業展開で法人顧客を開拓していきました。
単なる販売代理業ではなく、顧客(店舗のオーナー)と夢を共有し、顧客の抱える問題解決を一緒に行うコンサル業務も併せて行った点、副商材で相手をひきつけ社長とのアポにこぎつけ後は熱意で本業の携帯電話の成約へ結びつける点などは他のビジネスにも参考になるのではないかと思いました!