事業創造大学院大学

2025年4月、事業創造大学院大学は
開志創造大学(仮称)へ名称変更予定です。

お知らせ

2008.11.12

株式会社プライム田端一宏代表取締役社長 特別講義(准教授 富山栄子)

株式会社プライム田端一宏代表取締役社長の特別講義がありました。創業時にこれからはテレビショッピングの時代だ!と「ビビッ」とくるものがあったとのことです。

現在の主たる顧客は50~60代。主たる放送時間は早朝と深夜。今後は40代前後を顧客として取り込みたいとのことでした。

その第一弾として成功しているのが「ツヤグラアイロン」http://peacs.primeshop.jp/goods?goods-code=44720

成功の秘訣は、「SPA」(製造小売業)の導入にあります。
プライムは中国などの受託製造業者を使うことで、製造アウトソーシングを実現。これによってコストを大幅に削減できました。そして自社では、トレンドを読み有名人とのコラボレーシヨンによる、付加価値の高い商品開発、営業・マーケティングの活動に特化しています。製造アウトソーシングによって、自社の生産設備の維持費用や追加投資から免れ、資本をリスクにさらさずに済んでいます。この方法では、アイディアさえあれば、新規市場への参入リスクを減らすことが可能です。
また、100%自社でリスクを持って流通段階の卸機能をカットしているので、同じ品質の商品を安価で販売できます。契約工場などの生産も含め、流通、販売までプライムが一貫して管理できます。
 
「ツヤグラアイロン」の商品開発は、カリスマ美容師などとタイアップして行いました。人気女性雑誌「Vivi」や「MAQUIA」(マキア)などの雑誌へ掲載しているほか、ブログ対策、SEO対策(たとえば、テレビショッピングとキーワードで検索をしたときに、トップページに表示されるようにするなど)などさまざまなコミュニケーシヨン戦略を取っています。

プライムは、大手の電子小売業者であるので、中国でトップクラスの規模や効率を誇る受託製造業者に委託し、品質的に優れた完成品メーカーに比肩する製品をつくり、ブランドとして販売することが可能になっています。たとえば話題の乗馬系フィットネス器具「ロデオボーイ」などは定価43,000円が66%OFFの14,800円と半値以下で売られています。松下電器産業などの完成品メーカーにとっては脅威となります。

中国の受託製造業者は3社に依頼しているとのことで、たとえばそのうちの一社が供給停止をちらつかせてきても、他の業者がまだいるので、その意味でもリスク分散がはかられています。さらに、「ツヤグラアイロン」などテレビショッピングで売れた商品はイオンなど大手GMSや通販会社、ケーズ電器などへの卸売も展開しています。

トレンドを読み商品開発力などの設計が優れていれば、製造小売業優位の時代ですね。