事業創造大学院大学

2026年4月、事業創造大学院大学は
開志創造大学(仮称)へ名称変更予定です。

学生の声

鈴木 修さん

毎日会社と家庭の往復だった私にとって、大学にいる時間は格別でした

鈴木 修さん

旭カーボン 株式会社 研究開発部 部長 2012年3月本学修了

本大学院に入学しようと思われた動機は何ですか?

入学のきっかけとなったのは、弊社の社長からの勧めでした。その頃、毎日夜遅くまで仕事をしていたので、大学に通うのは絶対無理ですと一度は断りました。しかし、その後、大学のことを調べたり、社長と話をしたり、家族と話をしたり、だんだんと心が行ってみようかなという方向に傾いていきました。最終的には、会社内で立ち上げたかった事業があったので、それを一つまとめてやろうと思い入学を決意しました。会社からの学費援助も大きな理由の一つとなりました。弊社1期生として、私の卒業後の活躍によって次の入学生を送り込むかどうか会社が見ているようなので責任重大でした。

入学して一番苦労したことは何でしたか?またそれに対してどのように乗り越えようとされましたか?

社会人として働きながら大学に通う私にとって、最大の課題は仕事と学業の両立でした。やはり昼間働いていますので、勉強する時間が限られます。その時間を捻出することが大変でした。これに対しては、仕事のやり方を見直すことで時間を作る努力をしました。他に苦労している点といえば、やはり専門分野の違いでしょうか。私は、大学の工学部を卒業して、化学工場の技術系の職場で働いてきました。そのため、経営、会計などはほとんど「無」の状態でした。授業についていけるか非常に不安でした。この点に関しては、いまだに苦労していますが、これを乗り越えるには勉強するしかありませんし、そのために大学院に通っていましたので頑張りました。但し、先生方は非常に丁寧に教えてくれますので授業は非常に楽しいものでした。

平日の勉強時間、休日の勉強時間はそれぞれどれくらい確保されていましたか?

1年時は受講した講義数も多く、平日は勉強の時間がなかなか取れませんでした。6限が 終わって帰宅すると10時過ぎですので、課題がある日などはそこから1~2時間勉強し ました。休日はレポート作成、講義の予習復習などをおこないましたが、基本的には昼は家族と過ごす時間を大切にして、夜2~3時間勉強時間としていました。私は、1年目に 多く単位を取得しましたので2年目は受講する講義数は減りました。従って平日の講義が 無い時間にはなるべく図書室で自習するようにしていました。事業計画作成には調べることも多くあり、いくら時間があっても足りません。時間をうまく使えるように工夫が必要ですね。

仕事と勉強の両立や、勉強する時間を生み出す「やりくりのコツ」は何でしたか?

私がうまくやりくりできていたかどうかはかなり疑問です。勉強の時間が足りないなと実 感していました。特に予習復習にもっと時間をかけなければだめだと思っていましたが、仕事もあり、なかなか難しいです。そんな中でも、仕事は毎日なんとか5時に終わらせようと努力するようになりました。それまではダラダラと夜遅くまで仕事をしていましたが、そんな自分をこの2年でかなり改善できたのではと思います。主に行ったのは2点です。1つめは仕事の明確化。当たり前のようですが実はなかなかできていませんでした。目標を明確にして実施計画作りやることを明確にすると今まで結構無駄な仕事していたのが分かります。無駄に凝った資料作成もやめました。2つめは、部下への権限の委譲です。これはマネージャーとして当たり前ですが、いかにみんなに仕事してもらうかこれを考えるようになりました。部下たちはやたら仕事振ってくるなと不満があるかもしれませんが。

周囲の学生はどのような雰囲気の方々でしたか?大学院の雰囲気をお伝えください。

本大学にはいろいろな生徒さんが混在しています。昔でいうと寺子屋でしょうか。大学出 たばかりの若者から、現在現役で働いている人、学校で教鞭を振るっている先生方、実際に起業されている方、会社の重役さん、会社引退した後に起業しようとしている方、そして留学生。最初はかなり戸惑いました、こんなメンバーで授業が成り立つのか・・・。しかし、 授業が始まるとそんな不安は無くなりました、各自それぞれの人生経験や将来計画を踏ま えて、授業中、授業外でいろいろな話を聞かせてくれます。ずーっと製造業で働いでいた私にはこれはとても刺激になりました。毎日会社と家庭の往復だった私にとって、大学にいる時間は格別でした。

本大学院へ入学前と入学後で、自分自身にどのような変化がありましたか?

やはり仕事の面の変化が大きかったと思います。仕事と勉強の両立のための工夫をすることで仕事のやり方が変わりました。また、授業を受けるたびにその内容に影響され、これは何かやらなければと思うようになりました。非常に影響されやすい性格なのでしょうかね。計画している事業についても、入学前はとても出来るものではないなと半ばあきらめムードでしたが、計画を紙に書いたり、ゼミで話をしていくうちに何かできそうな気がしてきました。いまでは、絶対やってやろうと思えるまでになりましたので、これが一番大きな変化だったと思います。

これまで取り組んできた課題・テーマ、もしくは最も力を注いできたことは何でしたか?

事業計画を作成していたのが、「新潟市での熱配送サービス」です。このテーマは私が入学する前から会社内で検討していたものですが、実際にどうやって事業化すればいいか分からず頓挫していました。弊社のような化学工場では利用が難しい低温の排熱が大量に出ますので、これをなんとか利用出来ないかと考えていました。技術的には可能なことは立証できていましたが、どうやってお客さんを探すのかどうやって採算を取るのか、どうやって事業として立ち上げるのか、課題だらけでした。そのような課題を踏まえて授業を選択し、常に上記事業計画を念頭に置いて勉強していました。

本大学院で学んできたことが、現在の仕事や私生活で役立っていると実感するケースはどんなときですか?

現在の私の所属は製品開発課です。その製品設計を行う際にはお客様の情報がいかに大切か、それは「経営戦略」で学ぶことができました。また、「マーケティング」では量産化時代は終わり、知価時代の到来を教わり、設計を変える必要があると気づかされましたし、会社内で同じベクトルを持って活動するということ(IMC)の重要性を知り直接業務に役立っています。SWOT、5フォーシーズ、イノベーションの生み出し方、財務諸表の見方・・・・仕事に役立つことだらけです。まだすべて消化して、栄養にするには勉強不足ですが、実際に仕事で活用していることも多いです。

将来、実現したい夢、もしくは自ら創造したい事業分野(新事業・ビジネスモデル等)は何ですか?

私は、今までの経歴上からも環境事業で身を立てたいと思っています。それは企業内か、自らの起業かどちらでもかまいません。工業の底を支えている化学工場に代表される化学工場、その工場の地元地域への貢献はどうしたら果たせるか。これが私の課題です。その一つの事業が「熱配送サービス」です。これを事業化して、旭カーボンを地元に認知してもらい、優秀な研究者が集まるような企業にしていきたいものです。今後は、在学中に作成した事業計画の実現と、更なる事業展開を行っていきたいと思います。

これから入学を検討されている方にアドバイスをお願いいたします

特に入学をおすすめしたいのが、私のような理系人間です。技術畑で長年働いていると専 門は伸びますがどうしても視野が狭くなりがちです。本大学の中にも製造業の方々がいますが、まだまだ少ないようです。製造業から新潟、日本を盛り上げるためにも本学で勉強されることをお勧めします。今までに経験できなかった考え方、出会いがここにはありま す。どうしようと悩む前に行動を起こし、共に学び、刺激し合い、イノベーションを起こしましょう!