新興国トルコ(2)(教授 富山栄子)
トルコ人は勤勉で非常によく働きます。
トヨタの世界の工場で、ベスト3は、タイ、トルコ、台湾の3T工場なのだそうです。
いろんな自動車メーカーと部品メーカーの工場とオフィスにお邪魔しましたが、皆さん、トルコ人は非常に優秀でよく働くとおしゃっていました。
人口はドイツに次いで欧州第2位。面積は日本の2倍。注目されている理由としては戦略的、地政学的優位性(ヨーロッパ向け輸出拠点であり、アフリカ、ロシアも近い)、若年人口多い(平均年齢が28歳!)。ポテンシャルが大きい市場です。
ですが、政治経済基盤が信用されず、新興国特有のジェットコースター型経済でアップダウンが非常に激しく、金融状況が信頼できないそうです。
また、所得格差が大きく、特権階級化させてしまっていて、一般の貧しい人を無視する政策で、所得格差=教育格差。
学歴中心で、企業における収入格差=所得格差=教育格差の構図なのだそうです。
お金持ちは特権階級を形成し、フェラーリは予約でいっぱい。ランボルギーニもぼんぼん走っている国。
たとえば、トルコ人副社長の給料は日本人社長より高いくらいで、トルコに出向を命じられたフィアットの役員クラスは大喜びするのが常だそうです。。
一般労働者は月給500ドルですが役員クラスは1ヶ月5万ドル!
フィアットの役員クラスが喜ぶわけです。
加えて、運転手付き自動車などが付与されます。社長・役員は需要が多いけれど人材が足りない市場なのだそうです。
宗教色のない世俗は、外国で教育を受けており、皆さん英語がぺらぺらです。こうした人たちが、社長・役員になっています。
トルコ通の日本人の方から興味深いお話しをお聞きしました!
オスマン帝国の歴史はトルコはウィーンまで攻めた。泣いている子供をだまらすのに「トルコ人がくるよ。」と言った。
魚は頭から腐る。下は何もしない社会。司令官が馬鹿だと兵隊は何もしない社会。だけど司令官が有能だとウィーンまで攻め込む。格差社会・・・。
90年代なぜトルコがだめだったのかといえば、有能なブルーワーカーと司令官との間にギャップがあったけれど、その間を誰も埋めてくれない社会で、有能な人たちをまとめる人たちがいないのだそうです。
なぜならば、商用車の方がうんと税金が安いからです。
たとえば、乗用車の場合、
1600cc以下は37%の税金に18%の付加価値税が加わり、100万の車は162万に。1600~2000ccは189万に。2000cc以上は217万にもなります。
ほぼ2倍の金額を払わなければなりません。
ところが、VANのような商用車ですと、税金が4%程度なので、123万~130万で済むのだそうです。
こんなに違えば、乗用車を買わないで、商用車を買うのも理解できます。